成長限界を迎えた絵描きが頑張って1年でプロ並みの画力を目指すブログ

自分を美少女と思い込んだ中年男性が頑張ります

「やりま~す!」と言いながら最初の目標を完全に見失っていた件

前回の記事で、漫画を描けるように絵を頑張る!といいながら最初の目的を忘れて全然知らない方向に走り出しかけてました。危ない。
3月になり、ある程度デッサンもできるようになって、「よし!じゃあ今度はある程度色塗りもできるようにしよう!」なんて思った矢先にこの記事。

togetter.com


AI、進化速度早い。これ、もう、人間が色を塗る必要ないじゃん。
そいで、初志を思い出した。
取り合えず下の漫画のページをご覧になってください。

こちら、月刊コミックバンチ2023年3月号 に収録されている「4年3組のミチコさん」の最初に書いて没にした1ページ目なのですが(掲載分は書き換え済み、どう変わったかは自分の目で確かめよう*1)まあ、色々とダメなところがたくさんあります。パースがおかしかったりデッサンがおかしかったり。すごい久しぶりにストーリー漫画を描いたというのもあるのですが、それでも、もう少し何とかならなかったのか…。(なんとかした原稿に差し替えてあります)(この原稿を書いている1か月の間にも大分絵は描けるようになりました*2
漫画自身の面白さには自信があるんですが*3漫画というのは読んでる最中に、デッサンの狂いとかパースの狂いとか、コマによってディティールが異なる、とかで、集中がそがれてしまうことが多々あります。それで読んでもらえないこともある。
なので、そこを是正したいと思って、絵の上達を決意しました。
どこまでうまくなりたいか、目標を具体的に決めろ、と、絵のうまい先達もおっしゃっているし、自分でも目的がはっきりしていましたので、具体的に目標を決めました。それは。

  • 読んでいる最中に気が取られない人体のデッサンと服の皺など
  • 違和感のないパースが効いた人物と背景(統一感)
  • それぞれのコマでディティールが異ならない(その違いを自分で認識できる目の解像度)


です。なので、一番最初の目標では色塗りは入ってませんでした。
(その時も「どうせ色はいつかAIが塗ってくれるからいいや」って思っていた気がする。)

ですので、今からは、2月に行っていたように実際に漫画を描きながらフィードバックして、小物や指や、また、できてないと感じたらデッサンや皺の練習をして、というようにしていきたいと思います。

…それはそれとして。
単体としての絵が上手くなるのは楽しいので、そちらの方も楽しみとしてしていきたいと思います。AIが進化したら人間の色塗りは、“楽しい塗り絵”になってしまうんだろうけれども、塗り絵楽しい。今、色々と楽しいです。

追記AIと人間のしごとについて思うこと。

こちら、上の文を書いたあとTwitterでツイートしたもののまとめです。


絵や漫画を描くにあたって、将来にわたってAIが出来ないことって何か、っていうと、多分AIってなんでもできるようになると思うんですよね…。多分、物語も自動生成してくれるようになるし、それに合わせて適当にネームを切ってくれるようになる、絵はもう描けてるし。

そんな未来が来るとして、じゃあ、自分は漫画家という職業を続けるにあたって何をすればいいのか?AIの技術者になる?なるほどそれも正解の一つだ。出力の正誤を判断できるというのは立派な能力だ(漫画の編集さんの業に似てるのでそこらへんは業界として統合されると思うけど)

DTPみたいに編集者が漫画家を兼務して編集室のデスクの上で漫画を制作する。漫画を描きたい人間はそういう編集者になる。でもそれで満足できないのはみんなわかってるはずなんだ。作ってる側としてはそれは楽しくない。じゃあ、生産性で100倍のAIと殴り合う?それは無理

写真と絵画の関係を考える。写真が出てきたとき、絵画は不要になる、と言われていたけれども絵画は生き延びた。似顔絵や写実的な仕事は無くなったけれども芸術としての領域は残った。写真にはない素晴らしい作品がたくさんある。じゃあ、漫画は?人の手による漫画に残された領域はどこだろう。

芸術的な漫画?AIには出来ない独創的な色遣いと小回り、画面構成。そういうのはできそうだ。平均的ではなく、あくまで個人の内面と密接に結びついた話とそれにさらに結びついたコマ割り、画面、キャラクターなど。大昔のガロやそのあたりの漫画みたいなのは領域として残されそう。他には?

手作り、ということを重視したアナログの原稿。アナログであることが価値があり、それを展示されたり、オークションにかけられたり販売されたり。内容ではなく、技術そのものが評価され、芸術品として取り扱われる漫画類など。道具がコミスタなどからアナログに戻る。他には?

他には…思いつかないな…。ただ、そのころには小説もアニメも自動化されてて、個人個人にカスタマイズされた『気持ちのいい』ものが提供されていると思うので、その時の娯楽がどうなってるか、というのも含めて考えないと未来の漫画を取り巻く環境の予測はできないなあと思う。

面白いものって何だろうな。俺はただ、面白いものが作りたいだけなんだ。AIになんて負けないぞ!

*1:意訳、買ってね!

*2:実際に戦場に出るのが大事、ということかもしれません

*3:言い張るのが大事